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教区概要

群馬教区とは

所長ご挨拶

宗務所長 三浦祐俊

この度、群馬教区の円滑なる運営と、事業の周知、教区内外の皆様との情報共有等を目指し、ホームページを開設する運びとなりました。
開設にあたり、宗祖・伝教大師最澄様のお言葉を紹介し、ご挨拶といたします。


国宝とは何物ぞ、宝とは道心なり。道心ある人を名づけて国宝となす。
径寸十枚これ国宝にあらず。一隅を照らす、これ則ち国宝なり。

山家学生式 / 伝教大師 最澄


日本天台宗の開祖伝教大師最澄様は、お釈迦様がお説きになった八万四千の法門のうち、最も大切な「妙法蓮華経」を根本聖典として、天台宗を開くに当たりに、「山家学生式」という一文を示されました。

“国宝とは何物ぞ、宝とは道心なり”とは、仏道を求める心、仏様の教えを実行する心を「道心」といいます。
仏様にすがる心をもって生活をすることができる人が宝であると諭されています。

“径寸十枚これ国宝にあらず。一隅を照らす、これ則ち国宝なり”「径寸」とは金銀や財宝のことで、「一隅」とは今あなたのいるその場所のことです。お金や財宝は国の宝ではなく、家庭や職場など自分自身か置かれたその場所で精一杯努力し、明るく光り輝くことのできる人、つまり道心を持って一隅を照らす人こそ、何物にも代えがたい貴い国の宝であると申されています。

続けて“悪事を己に向かえ、好事を他に与え、己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり”と示しております。私たちは毎日の生活の流れの中で、自分のために生きることに一生懸命になり、ともすると他人のことなど考えられなくなっています。しかし人間である以上、決してそれだけに満足していられない、もう一人の自分がいることに、きっと気が付きます。自分を忘れて他人のために何かを成し得たとき、自分のための目的が満たされた以上の、深くずっしりとした喜びが沸いてきます。でもちょっと油断すると、この大いなる喜びは、何かの利益を求める心に変えてしまいがちです。他人のために利益を求めない行動こそ慈悲の極みなりです。

「道心」・「一隅を照らす」・「己を忘れて他を利する」

伝教大師最澄様が示されたこの三つのお言葉を、教区運営の根本理念として頂戴し、時代の要請に応じられる、より開かれた教区体制を築いてまいりたいと思います。

このホームページが、その一助となりますことを祈念いたし、開設のご挨拶とさせていただきます。

あきらけく後の佛の御世までも 光り伝えよ法のともしび

宗務所長
群馬教区宗務所長三浦祐俊